飲食店経営者が知っておくべきや労働時間(労働法)について

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バーや居酒屋、カフェ、パン屋など飲食店を開業するには、事前にしっかりと準備し、飲食店営業の許可や菓子製造業の許可、深夜酒類提供飲食店営業の届出など、必要な申請を行う必要があります。

必要な許可・届出を行い、ある程度お店が軌道に乗ってきた場合や、開店当初から従業員を雇用する場合は、従業員の労働時間などにも気をつけていく必要があります。

そこで、今回は飲食店経営者管理職の方が知っておくべき労働時間(労働法)について簡単にまとめていきます。

飲食店の経営を検討している方、または既に飲食店の経営をしている方などの参考になれば幸いです。

法律によって労働者の定義は異なることに注意

労働者の定義については、法律によって異なり、それぞれの法律において規定されています。

労働基準法では

職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われるもの
と規定されています。

労働組合法では

労働組合法では
職業の種類を問わず、賃金を、給料その他これに準ずる収入によって生活する者
と規定されています。

労働契約法では

使用者に使用されて労働し、賃金を支払われるもの
と規定されています。

飲食店の従業者について

労働者の定義は各法律によって異なりますが、飲食店の各店舗で雇用されることになる従業員については、どの定義によっても労働者該当することになります。

使用者の定義について

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一般的には使用者とは、経営者役員などの意味で使われることが多くあります。

労働基準法10条では

労働基準法では使用者の定義は
事業主または事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者
と規定しています。

経営者や役員以外でも使用者に

上述の労働基準法の規定から考えると、労働基準法では使用者の範囲は、経営者や役員だけではなく範囲が広くなります。

したがって、事業主雇用されている場合であっても、労働者を指揮・監督する立場にある人は使用者として扱われる可能性があります。

また、労働契約法や労働組合法でも使用者の定義が異なりますので、注意が必要です。

管理職(管理者)の判断基準は?

管理職の場合は、法律で規定されている労働時間・休憩・休日の規定は適用されません

労働基準法では、管理職(管理者)を管理監督者と呼び、「監督もしくは管理の地位にある者」と規定されています。

管理監督者に該当するかどうかについては、職務内容・責任や職務上の権限・勤務の態様・待遇などから総合的判断されることになります。

上述したことから総合判断されますので、飲食店の店長であっても権限がなく、賃金などが一般の社員と同水準でなどの場合は管理監督者にはあたりません。

したがって、そのような場合は、管理監督者として扱うことはできず、時間外賃金などの支払いが必要になります。

過去には某大手飲食店チェーンが上述した名ばかり管理職の問題で裁判になり、店長は管理職には該当しないと判断されています。

店長だから時間外賃金を支払わないというような、対応をしていると労働問題に発展することもありますので、気をつけなければなりません。

労働時間について

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労働基準法では、法定労働時間(週40時間・8時間)を超えて働かせてはならない。という原則があり、このことに違反すると刑事罰が科されることになります。

休憩時間の規定も

休憩時間にも定めがあり、使用者は労働者に対して
6時間以上働かせる場合は45分以上
8時間以上働かせる場合は1時間以上
休憩を取らせる必要があります。

また、休憩時間はあくまでも休憩なので、労働時間には該当せず労働者を拘束することはできません。
つまり、休憩中に電話番などをさせる場合には、休憩時間には該当しませんので注意が必要です。

使用期間について

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飲食店の経営者が、正社員やアルバイトを雇用する場合には、使用期間を設定することが多くあります。

使用期間とは

採用後の一定期間を、その人物や能力等を評価して本採用の有無を判断するための期間になります。

使用期間後に辞めさせる場合は解雇に?

使用期間を○ヶ月と規定して雇用契約を締結したとしても、法律上は本採用で雇用契約を締結した場合と同様に扱われます。

つまり、使用期間後に、事業主側が一方的に雇用を断る場合には、解雇とみなされるので、解雇の手続きを行う必要があります。

しかし、現実に働いたところ問題が出てくることもあります。
そのため、労働基準法では使用期間中の者を14日以内に解雇する場合は、解雇予告や解雇予告手当の支払は不要であると規定しています。

この14日は土日祝含まれるので注意が必要です。

また、使用期間中の労働者の地位は不安定なため、不当に長い期間の使用期間を規定することは認められていません。
そして、原則として使用期間の延長も認められていません。

その点にも注意が必要です。

まとめ

バーや居酒屋、カフェ、パン屋などの飲食店を経営する場合に、正社員やアルバイトの方を雇用する必要が出てくることもあります。
その時には、飲食店の経営者の方や管理職の方も、注意しておくべきことが沢山あります。

特に労働時間などの労働関係における問題は、実際に沢山ありますので、知っておくことが大切になります。

大阪バー・居酒屋開業サポートセンター(綿谷行政書士法務事務所)では、飲食店営業の許可・深夜酒類提供飲食店営業の届出、菓子製造業の許可以外にも、飲食店の契約書等の法務問題にも対応していますので、飲食店の経営者又は、開業を検討中の方はお気軽にご相談ください。

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