飲食店経営者も知っておきたい、飲酒運転について
ニュースなどでも度々、飲酒運転における事故についての報道を耳にする機会があります。
お酒等のアルコール飲料を提供している飲食店の方にとっても、このような飲酒運転のニュースは他人ごとではありません。
なぜなら、お客様の飲酒運転により店側も処罰される可能性があるからです。
今回は、飲食店と飲酒運転について考えていきたいと思います。
飲食店経営者の方・これから飲食店の開業を検討している方の参考になれば幸いです。
飲酒運転が問題になるケース
飲食店の中には、ビールや酎ハイなどアルコール飲料を提供するお店は沢山あります。
飲酒運転が問題になるケースの多くは、お客様が車で居酒屋やバー等に来店し、その店でお酒を飲んだにもかかわらず、アルコールが抜けていない状況で、お店まで乗ってきた車で帰ってしまうケースです。
事故を起こした場合
自動車事故を起こした場合は、お酒を飲んだか飲んでいないかに関わらず、当然なんらかの法律で罰せられます。
例えば民事上で考えると不法行為として損害賠償の対象になります。
また、刑事事件として扱われることもあります。
そして、飲酒運転の場合は、刑法や道路交通法によって重い処罰の対象になります。
酒酔い運転と酒気帯び運転に区別される
飲酒運転については、酒酔い運転と酒気帯び運転に区分されます。
酒酔い運転とは
酒酔い運転とは、アルコールの影響で、正常な判断や運転ができないおそれがある状態で、車を運転した場合をいいます。
酒酔い運転の場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金を科されることになっています。
酒気帯び運転とは
酒気帯び運転とは、道路交通法上において、呼気1リットルの中で0.15mg以上のアルコール濃度を検出した場合を基準に酒気帯び運転とされています。
酒気帯び運転の場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになっています。
アルコールの影響で死傷事故を起こした場合
飲酒運転をしたことによって、運転者が死傷事故を起こした場合には、自動車運転死傷行為処罰法に規定されている危険運転致死罪によって罰せられます。
例えば、負傷事故の場合は1ヶ月以上15年以下の懲役となり、死亡事故の場合は、1年以上20年以下の懲役に処せられることになります。
店側も責任を負う場合がある
お店側がお酒を提供して、そのことによって酒酔い運転に該当した場合には、飲食店等の運転手にお酒を提供した者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられることになります。
また、酒気帯び運転に該当した場合については、飲食店等の運転手にお酒を提供した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられることになります。
特に、車で来たことを知っているにもかかわらず、お酒を提供し、運転手が飲酒運転した場合も、道路交通法などによってお店側も処罰の対象になりますので、注意が必要です。
お店側ができる対策
飲食店側ができる対策としては、ポスターなどで注意喚起を行い、車で来たかどうかの確認をすることや、お客様にタクシー・代行運転などが必要な場合は申し出るように伝えるなどの対策が考えられます。
また、伝票などにチェック欄をもうけ、運転してきたものがいないか?などをチェックさせる方法なども考えられます。
まとめ
居酒屋やバー等の飲食店を経営していくなかで、知らない間に法律に違反しないようにお店がも、コンプライアンス(法令遵守)を徹底することが、最近は求められています。
しっかり対策等を施すことによって、未然にトラブルに巻き込まれないようにしていくことが大切だと考えられます。
今回は飲食店を経営している方などにも知っておきたい、飲酒運転の問題について考えてきました。
飲食店の経営者・これから飲食店の開業を考えている方の参考になれば幸いです。