飲食店を開業する前に気をつけたい、場所や地域について

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バーや居酒屋などの飲食店を新しく開業することを検討する場合に、開業資金・飲食店営業の許可・深夜種類提供飲食店営業の届出など、様々なことを検討していく必要があります。

また、飲食店の営業を始めるためには、都市計画法等で規定されている用途地域などに注意して店舗を借りなければ、飲食店の開店が規制される地域もありますので、気をつけなければなりません。

そこで、今回は飲食店の開業等を検討している方の参考になるように、都市計画法の規制がある用途地域について行政書士の立場で考えていきます。

バーや居酒屋の開業を考えている方の参考になれば幸いです。

用途地域について

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都市計画法では、土地の用途を指す用途地域は、12の地域に区分されています。
また、この12の区分を大きく分けると、住居系地域・商業系地域・工業系地域に分けることができます。

以下にそれぞれの用途地域の特色について記載していきます。

第1種・第2種低層住居専用地域

低層住居専用地域は、第1種と第2種があり、第2種低層住居専用地域では、第1種と比較すると多少規制が緩和されています。
第2種低層住居専用地域では、2階建て以下で延べ床面積が150㎡以下の小規模な店舗であれば、飲食店等の営業も許容されています。

第1種・第2種中高層住居専用地域

この地域でも、第1種に比べ第2種中高層住居専用地域と比較すると規制が緩和されています。
第2種では3階以上の建物や、1500㎡以上の建物でなければ工場などの住環境への影響の小さいものであれば飲食店の営業をすることが可能となります。

第1種・第2種住居地域・準住居地域

第1種・第2種住居地域・準住居地域では、商業用の建物の混在も予定されています。

第1種住居地域では、店舗や事務所等の商業施設系の用途は3000㎡以下のものに限られ、パチンコ店などの営業は禁止されています。

第2種住居地域では、店舗や事務所の広さの制限は1万㎡以下になります。

準住居地域では、商業などの業務に対する配慮がさらに強くなり、店舗や事務所の設置はかなり自由に認められています。
しかし、風俗系の営業は禁止されているので営業することはできません。

商業地域・近隣商業地域

商業地域・近隣商業地域では、たいていの営業は行うことが可能になります。
しかし、環境を悪化させるおそれがあるような工場などの業務は行うことは制限をされています。

商業地域・近隣商業地域は、住民の日常的な需要に応じる地域なので、風俗業などの営業は各都道府県によって、扱いが異なってきますので注意が必要です。

工業地域・工業専用地域

工業地域では、飲食店の営業を行うことは可能ですが、工業専用地域では飲食店の営業を行うことはできません

飲食店を構えることができる地域のまとめ

飲食店を営業することができる地域を簡単にまとめると、以下のようになります。

用途地域 飲食店営業の可否
第1種低層住居専用地域 営業不可
第2種低層住居専用地域 条件付きで営業可
第1種中高層住居専用地域 条件付きで営業可
第2種中高層住居専用地域 条件付きで営業可
第1種住居地域 条件付きで営業可
第2種住居地域 営業可
準住居地域 営業可
近隣商業地域 営業可
商業地域 営業可
準工業地域 営業可
工業地域 営業可
工業専用地域 営業不可
   

用途地域 飲食店営業の可否
第1種低層住居専用地域 営業不可
第2種低層住居専用地域 条件付きで営業可
第1種中高層住居専用地域 条件付きで営業可
第2種中高層住居専用地域 条件付きで営業可
第1種住居地域 条件付きで営業可
第2種住居地域 営業可
準住居地域 営業可
近隣商業地域 営業可
商業地域 営業可
準工業地域 営業可
工業地域 営業可
工業専用地域 営業不可

まとめ

飲食店を開業するためには、各種法令に基づく許認可申請はもちろん、飲食店を開業する場所が用途地域における規制を受けないのか?ということも考えていかなければなりません。

飲食店の開業を考えている方は、お店の準備や集客などの集中し、飲食店営業の許可申請や深夜酒類提供飲食店の届出など法務的な部分については行政書士などの法務の専門家に相談することも選択肢として有効な手段と考えられます。